塩田達雄プロフィール
塩田達雄先生という知る人ぞ知るウィルス学研究者が「情熱大陸」に取り上げられると聞き、早速Wikipediaを調べてみました。
塩田達雄先生はウィルス学の権威ですが、一般的にはそれほど有名人ではないので、まだWikipediaにはプロフィールがありません。日本語のWikiになくても、英語版のWikiにはプロフがあることもあるのですが、残念ながら英語版のWikiにも塩田達雄先生のプロフはまだないようです。
塩田達雄先生は情熱大陸のホームページによると東京都生まれとのことですが、出身高校は分かりません。
ただ東京大学医学部保健学科のご出身なので、そこそこの高校であることは推測できます。
東京大学医学部にはいくつか学科があり、医師養成コースは6年制の医学部医学科です。塩田達雄先生の卒業された保健学科は4年制で、1965年以前は看護学科と言う看護師養成のための学科でしたが、塩田達雄先生のご卒業の1982年当時から看護師や臨床検査技師に加えて、東大医学部大学院で医学修士号、更には医学博士号を得て研究者となる人材を輩出していました。
東大保健学科は学部・学科改編により現在では健康総合科学科と名前を変え、環境生命科学、公共健康科学、看護科学の三つの専修課程を持ちます。
塩田達雄先生は医師免許を持っていませんが、東大医学部から医学博士号を授与された研究者として日本のウィルス学を牽引する存在であり、1986年に東大医学部大学院博士課程在学中、センダイウィルスの全ゲノム配列を解読して“Nucleic Acids Research”と言う権威ある学術雑誌に投稿したのが、キャリアの始まりです。
その後のご経歴は大変華やかで、1990年に医学博士号取得。東京大学医科学研究所、米国カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCS)を経て1997年には東京大学医科学研究所感染症研究部助教授に着任。2000年からは大阪大学微生物病研究所の教授をなさっています。
塩田達雄先生が開発中の新型コロナウィルス迅速診断キット
そんな塩田達雄先生ですが、企業との共同研究で新型コロナウィルス迅速診断キットの開発を手掛けているそうです。
共同研究する企業は、株式会社ビズジーン。2018年に設立されたばかりのベンチャー企業で、社長さんも研究者のようですね。
ウイルスの迅速検出技術などの研究の他、遺伝子解析・タンパク解析・核酸合成などの受託研究を行っている会社です。
新型コロナウィルス関連の阪大微研と企業の共同研究
新型コロナウィルス(COVID-19)の共同研究をする他の企業名は阪大微研の発表によると、一般財団法人阪大微生物病研究会(BIKEN財団)、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所(医薬健栄研)だそうです。
阪大微研と共同研究する企業
研究の内容は大きく二つに分かれます。
一つは新型コロナウィルス感染症ワクチンの開発
二つ目は新型コロナウィルス検査技術
です。
新型コロナウィルス迅速診断キットはなぜないの?
ヒトコロナウィルスは普通の風邪の原因ウィルスの約35%を占めるありふれたウィルスで、症状も軽く放置しても治るものだったため、今まであまり治療法や診断法が研究されてきませんでした。
しかし新型コロナウィルスは潜伏期間が長く、しかも不顕性感染と言われて無症状の感染者が感染者の約80%と大多数のため感染の拡がる機会が多く、65歳以上の患者と高血圧・糖尿病などの基礎疾患を持つ患者では死亡率が非常に高いのです。
しかも一人の患者の入院期間と人工呼吸器を使用する期間が非常に長いため、病院のベッドや機械が足りなくなることはもちろん、それでなくても人手が足りない医療従事者の疲弊も著しく、一度に一定数以上の患者が発生すると医療資源が枯渇する恐れがあります。
以上のような理由で、新型コロナウィルス感染症の診断法と治療法の研究が急がれているのです。
新型コロナウィルス迅速診断キットができれば
今回塩田達雄先生が開発中として情熱大陸で紹介されるのは、新型コロナウィルス迅速診断キットです。
ウィルス迅速診断キットはインフルエンザウィルスの迅速診断キットが有名ですね。病院で検査を受けた人も多いのではないでしょうか。
国内トップシェアの大塚製薬が作っているインフルエンザ迅速診断キット
新型コロナウィルス迅速診断キットができれば、PCRよりはるかに少ない時間と正確性で新型コロナウィルス感染の診断ができるようになり、医療崩壊を防ぐ有効な一手段として期待できますね。
日本医療研究開発機構でも、キヤノン、みらか、富士レビオ、横浜市立大学、栄研化学、デンカなどの新型コロナウィルス診断法開発に研究費を助成しているそうなので、一日も早く新型コロナウィルス感染症の診断法と治療法が確立すると良いですね。
まとめ
- 塩田達雄先生は東京大学医学部保健学科出身で大阪大学微生物病研究所教授を務めるウィルス研究者
- 塩田達雄先生は新型コロナウィルス迅速診断キットを企業との共同研究で開発中
- 大阪大学微生物研究所は他にも多数の企業と共同で新型コロナウィルスのワクチンと検査技術を開発中
- 新型コロナウィルス迅速診断キットができれば医療崩壊を防ぐ有効な一手段となる